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「この人になりたいんだって…迫ってきてな…だから俺は金がねー人間には手術はしないって言ったら叫び出してな…」
大塚は、だいぶリカ子に嫌な思いにされたようだ。
すらすら喋る。
「こっちはお忍びで細々と生活してるってんのに、叫ばれて近所の奴等に警察呼ばれちゃたまんねーよ…わかったって言ったらニンマリ笑って…。」
ううっと大塚は身震いして肩を抱く。
この状況に慣れたのだろう、大塚は「煙草いい?」と汚れた机の上に無造作に置いてある煙草とライターを指す。
時雨は、この男に銃を向けているのが面倒になったようで、銃をしまい、煙草とライターを大塚に渡した。
「おお、サンキュー。…でさ、その女にちっぽけな金で素晴らしい手術を俺はしてやったのさ…。」
ライターの火を5回目にしてやっとつけ、大塚は煙草に火をつけた。
「確か…その女がその顔にしろって言った写真、残ってる筈だぞ。その顔になったらホクホクで忘れて帰って行ったからな。」
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