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家政婦の女性の誘導で、時雨はこの家の奥まで通された。 広い座敷に縁側。 時雨の目的の人物は縁側に座って外をいとおしそうに眺めていた。 縁側に座るのは、白髪混じりの着物を着た男だ。 「12月にそんなに風を浴びたら…風邪ひきますよ?」 嫌味っぽく時雨が言うと、男は、フッフッと笑った。 「まだまだ…そんなに弱くはない…。珍しいな…来るなんて、嫌がっていたくせに」 男は外を見詰めたまま話す。 「別に。来たくて来た訳じゃない。頼みたいことがあるの。」 憮然と時雨が答える。 そんな時雨の態度を男は気に止めもせず、再びフッフッと笑い、 「探し物が見つかったか?」 と聞いた。 .
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