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12月14日。
ビジネスホテルや簡易ホテルを転々と、探し回っていた蓮は、胸ポケットに重要な物を入れていた。
そのせいか、先程から誰かにつけられている気がする。
ここは公園だ。
昼だから散歩に来ている人間もいる。
同じ方向に歩く人間がいてもおかしくない。
だが、さっきから、ずっとつけられている気がしてならないのだ。
公園の広場の端に、公衆トイレがあるのに蓮は気付いた。
男子トイレに行くフリをして隣にある多目的トイレに入る。
トイレの前には、目隠しのための壁があるため、近くに来なければ蓮が多目的トイレに入ったことは見えない。
蓮は多目的トイレの引き戸を、うっすらと開けて外の様子を伺った。
少しすれば、つけた人間が
出てこないのを不審がって
様子を見に来る筈だ…。
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