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矢島は速水からの報告を聞いて、暗い資料室に移動した。
警視庁内で滅多に人が来ない場所であった。
思う存分、笑った。
おかしくて、笑うしかできない。
と矢島は思った。
「つくづく…馬鹿な男だな…。」
お前に上に行くつもりがなくても、
神澤の名前は嫌と言うほど
お前を襲ってくる…。
笑い疲れた矢島は、壁に寄りかかりながらその場に座った。
それに矢島は、ただ出世するためだけに蓮を目の敵にする訳ではないのだ。
なぜアイツが時雨の心を掴むんだ…。
“被害者遺族”だからなのか…?
矢島の1番の妬みはそこだった。
この私に、屈辱を味会わせたヤツが
憎い…。
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