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12月15日。
署に近いところにオープンしたレストランで蓮は遅い朝食を摂った。
今、蓮に他の仕事はまわって来ない。
だが課長以上の署の人間が、何かと目を光らせていて、呼び出されたりする。
矢島のせいか…。
そう思いながらも、蓮は呼び出しに応じやすいこの店にいるのだ。
署のオフィスはいずらい。
速水との昨日の一件があるためだ。
「直球に言い過ぎたかな…」
冷めたコーヒーを前に蓮は呟いた。
だが、蓮にとって昨日の一件は無意味ではなかった。
思い出したのだ。
人は十人十色で、自分とは違う考えを持つ人間がこの世にいるのだ、と。
考えが違うと言うことは、それに対して抱く思いも異なるということだ、と。
“狂い”は、他人から見たら“正常”にもなるのだ、と。
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