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気が狂いそうだ…。
ベッドに横たわった時雨は、昨日、電話したことが夢にまで出てきた。
頭であれはリカ子だと解っていても、リカ子の顔は永久子になっていて、口調も永久子になっている。
電話の向こうが永久子だと思うと永久子だと思いそうなる。
どれだけ復讐を代行して、他人の恨みを晴らして自分を抑えようとしていても、恨みは消えなかったと言うことだ。
結局、時雨は心の奥底で、永久子を求めていたのだ。
「しっかりして…姉さんは死んだのよ…」
自分に言い聞かせるために時雨は呟いた。
「お願い、これ以上、私を苦しめないでよ雨乃。もう時雨になったの。“雨乃”なんていらないの…。」
ベッドの上で、時雨はうずくまった。
苦しい…。
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