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「で、私を監視して、何か良いことでもあったの?浅川…」
皮肉く時雨が言い放つ。
『ああ、あったよ。ここ最近、電話が来てるじゃないか。探しものからの電話か?』
時雨は薄く笑う浅川の顔が容易に浮かんだ。
「盗聴?趣味悪いわよ?」
小さく時雨が笑う。
『盗聴ではなくなって、傍聴と言ってくれ。』
「あ、そう。まあ、私が人を殺す許可を貰ってる時点で、プライバシーなんて無いことは解ってたけど。」
『賢いというのも大変だな。』
「で、結局、何が言いたいの?浅川…」
寝転がったまま、時雨は聞いた。
『あと少しだな…。』
「ええ。」
『何かあったら…頼って来なさい。』
浅川は、そう言うと、時雨の返事を待たずに電話を切ってしまった。
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