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商店街に入ると蓮は走り出した。 人が多い…。 商店街の人の多さで今日が祝日であると思い出した。 人波をすり抜け、細い道に入る。 にぎやかさが無くなり、静かな道に自分だけの足音が響くのを感じながら数百メートル走った。 そこで後ろから追ってくる足音に蓮は気付いた。 来たか…。 角を何回も曲がって同じ場所に出てきた。 誰もいない。 「まけたのか?」 とぼやきながら弾む息を整えた。 祝日は人が出回るために犯罪も増える。 それなのに職務に就かずに自らの用事を優先させ、同僚に任せきりにしてることに後ろめたく蓮は感じた。 「減給だな…」 伸びた前髪を掻き上げながら溜め息をつく。 ふと、人の気配を蓮は感じた。 来たか…。 「さっきから何ですか?ついてきて…」 人が、永久子の顔をした山田リカ子がいる方向に体を向けながら呆れたように蓮は聞いた。 .
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