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バッと反射的に蓮は身を翻した。
リカ子がナイフを振りかざして襲い掛かってきたのだ。
「ああ!!」
とまるで獣が威嚇するような声を上げて再びナイフを振る。
後ろが壁となってしまっていた蓮は逃げることが出来ず、必死にナイフを振りかざすリカ子の腕を止めた。
女とは思えない力で、リカ子は掴まれた腕を左右に振り、逃れようとする。
「っ…!!」
暴れる刃が蓮の頬をかすめた。
「おいっ、落ち着けっ!!」
思わずそう言ってしまうほどリカ子は狂ったように暴れまくっている。
だが、不意にリカ子は動きを緩めた。
「…してやる。」
何か呟いた。
「あ?」
怪訝そうに何を言ったのかと聞いた瞬間、思わぬ力で蓮を振りほどいた。
「殺してやる!!」
目を血走らせ、また、リカ子はナイフを振った。
「うわっ…」
いきなりのことに蓮は間抜けな反応をしてしまった。
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