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12月25日。
人が住まなくなり錆びた鉄の門を時雨は押した。
門は嫌な音を立てて開く。
ずっと人が入っていないのだろう。
庭の木々や草は伸び放題で、人の通る道を埋めていた。
永久子が消え、母の百合子が消え、父の洋介もここから去って行った。
時雨も、田口コウスケが殺されてからは洋介が用意した今の自宅であるマンションで暮らしている。
6年振りの、実家だった。
玄関に入ると家の中は何とも言えない不気味な暗さで、シンと静まり返っている。
時雨はリビングに足を踏み入れた。
広いリビングに、奥にはダイニングとキッチン。
リビングの窓辺に虚ろな表情で母がいたことを思い出し、時雨は自嘲気味に笑った。
廊下に出て、屋敷内を進む。
傷んだ床が、あの時から歳月が経っているのだと時雨に思い知らせた。
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