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目を開けた瞬間、蓮は勢いよく身を起こした。
ズキッと頭が痛む。
「っ…。」
痛さに顔を歪ませると、「バカだね。」という言葉が頭の上から降ってきた。
蓮が顔を上げると、ベッドの横に蓮を見下ろすようにして矢島が立っていた。
「アンタかよ…。」
「頭は気を付けないと、下手したら死んでましたよ?」
「悪かったな死なないで。」
蓮の嫌味に表情を何一つ変えずに、矢島は蓮にペットボトルの水を差し出した。
「彼女に人を付けていたんだが、逃げられたようだ。」
「役立たず。」
「それについては反論できないね…。自分の車で移動してないようだからNシステムに引っかからない。」
「本当に使えないな、お前ら。」
矢島は楽しくなさそうに肩をすくめた。
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