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フッと、時雨は思わず笑ってしまった。
「今の技術は凄いな…。」
リビングに入ってきた山田リカ子は、死んだ永久子と本当に瓜二つだった。
「どうしたの?雨乃。」
リカ子が可愛く、永久子の顔で首を傾げる。
不快感が全身を襲った。
この女はどこまで私を
苦しめるつもりだろうか…。
そんな思いがふと頭をよぎり、時雨は自虐的に口元を小さく上げた。
「ねえ、あなたはどうして私の姉を選んだの?」
静かに、極めて静かに時雨が聞いた。
再びリカ子は首を傾げた。
「何を言ってるの、雨乃ったら。選ぶとか意味のわからないこと言っちゃって。」
おかしな子ね、とリカ子は柔らかく笑った。
「あ、もう久々に帰ってきてみたら掃除がなってないじゃない。父さんに怒られちゃうわよ?」
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