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リカ子はキョトンとし、目をパチパチとさせた。
「い、いきなり…どうしたの?雨乃。」
「雨乃なんて呼ばないで!」
バンッと時雨は近くの机に銃をぶつけた。
「あなたのせいで私の姉は死に、母は精神を病み、父は自責に追われる日々よ。」
眉間に皺を寄せ、淡々と時雨は話す。
「あなたが狂って自分を忘れていようがいまいが関係ない。姉が望んでるか望んでないかも関係ない。」
リカ子を睨んだ時雨の眼は、鋭い刃のようだ。
「何を言ってるの、雨乃。あなたの姉は、わた…」
「あなたは山田リカ子。私の姉、榊永久子を殺した人間よ。」
時雨の言葉が理解できないのか、リカ子は息を止めて驚いている。
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