2617人が本棚に入れています
本棚に追加
わなわなとリカ子は震え出した。
「お…お願い。雨乃…お願いだから…わからないことを言わないで…。」
頭を抱え、床にへたり込むリカ子に時雨は銃口を向ける。
「アンタは山田リカ子。私の仇。」
「や…まだ…？」
「そう、山田リカ子。」
繰り返し、繰り返し自分の名前を口にするリカ子を見て時雨は不気味に口の端を上げた。
「ねえ、死ぬ前に一瞬でいいから…思い出してよ。」
時雨がリカ子の耳元で囁く。
その声はわざとらしく優しい。
「思い出して、後悔して死んで？」
にこり、と優しく時雨は笑った。
「雨乃…ちゃ…ん？」
．
最初のコメントを投稿しよう！