2617人が本棚に入れています
本棚に追加
気付いたら、1週間が経っていた…。
1週間という時間で自分の匂いが染み付いたベッドの上で、時雨はあの日のことを思い出していた。
瞬く間に眼下の物が消えたような気分だった。
時雨は確かに、あの時銃を撃った。
だが、当たらなかった。
撃つ前に、蓮に撃たれたのだ。
リカ子を。
蓮が放った銃弾はリカ子の右肩口を貫通し、リビングの壁に埋め込まれ、時雨が放った銃弾はリカ子の体勢が崩れたせいで外れた。
一課長と速水が来てリカ子を連れて行った。
それを時雨はただ呆然と眺めていることしか出来なかった。
その後、時雨は蓮に抱えられ、榊邸から出ると黒塗りの高級車が来てここまで来たのだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!