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時雨がリカ子に銃を突きつけている姿が一番に目に飛び込んできて、蓮は思わず固まってしまった。
だが、長時間思考を停止させる暇もなく時雨は銃を撃とうと引き金に指をやる。
ヤバい…。
すぐに銃を抜き、撃つ。
ほんの一瞬の差で時雨が撃つ。
どちらが撃った銃弾が当たったのか、咄嗟に判別が着かなかったがリカ子が倒れた方向と時雨の表情を見てすぐに自分の弾が当たったのだと理解した。
ドタドタと、後ろから足音がしたので蓮が振り返ると一課の課長と速水がいた。
「矢島さんから行けって…」
速水が言い、課長が「山田リカ子は?」と聞いた。
目で蓮が中を示すと課長が頷き、速水と共にリビングに入っていく。
2人は痛みで床にうずくまるリカ子を引きずるようにして連れて行った。
蓮は呆然としている時雨を抱えて榊邸を後にした。
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