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1月1日。
時雨はマンションから出て、浅川の家でずっと過ごしていた。
元々、マンションは時雨のものだったため時雨は何の手続きもなしに部屋を出ていたのであった。
「時雨さん、お餅は足りた?」
優しい家政婦がお雑煮を入れた椀を下げながら聞く。
「はい、とても美味しかったです。」
「そう。それは良かった。」
本当に嬉しそうに笑うと家政婦はキッチンへと片付けに姿を消した。
「蓮くんも来れれば良かったんだがな。」
熱い茶を啜りながら浅川がボヤいた。
「仕事だから仕方ないじゃない。年末から追っていた犯人がやっと捕まるって時なのよ?」
「お前がいたらもっと早く捕まってただろうにな。」
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