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そしてその数日後、時雨は外行きの化粧をしていた。
蓮も事件が無事解決し、久々の休みであった。
朝早くに時雨を浅川邸に迎えに来た蓮もストライプ入りの黒のスリムスーツに仕立ての良いコート着ていた。
元旦に浅川の家に時雨宛ての年賀状が届いたのだ。
時雨の父・洋介から。
どうやら時雨の知らぬ間に浅川が洋介に話していたらしい。
年賀状は東京から遠く離れた鹿児島から。
内容は時雨と蓮で会いに来いというものだった。
母親のために温暖な地へと移ったのだと、後に時雨は聞かされた。
「ちゃんと、親孝行してきなさい。」
と浅川は時雨を見送った。
「行ってきます。」
そう答え、時雨は父と母が待つ場所に向かうべく玄関の扉を開けた。
否、新しい未来に続く扉を開けたのだった。
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