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私は眉をひそめ、顔を若干しかめる、が。
思い当たる理由が瞬時浮かび、ああ、と手を打つ。
…やっぱ浮いてるよなー。この中じゃあ。
ギャルと地味子じゃフィールド違いだろうし。
もの珍しい、みたいな感じだろうか?
私は珍獣じゃねぇぞ。
私はそいつから目をそらし、自己紹介を聞く。
……訂正、聞いているフリをする。
なんか双方、色々と言ってるが、聞くつもりはない。
だって完全アウェーだから全然耳に入って来ないんだもん。
興味無いし、この場限りだしねぇ。
「…アミでーす。S大の2年生で、ただ今彼氏募集中です!」
そのうちに。
余計なウィンクまで入れた完璧(らしい)紹介の後、やっと私の番が来た。
――きたぜ。
俺の、ターーン!!
私はすうっと深呼吸した。
「本城 那津、19歳。S大。
今日は彼氏探しじゃなく……純粋にう・た・い・に!来た!!
マイクを持ったら絶っ対に離しません!!
今夜は日ごろの鬱憤晴らしに、歌いまくります!
…と、いうわけで、よろしく。」
…親指を突き立て、言った。言い切った。
最後にペコリと頭を下げて席に着く。
さぁ、反応はいかに……!?
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