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―その後、ギャルたちは、何曲か歌うも、微妙な雰囲気のままだった。
…可愛い子ぶってアイドル曲なんか歌ってたって無駄、無駄。
「……っねえ!歌もいいけど、何か頼もうよ!」
見かねた女子のうちの一人がそう提案した。
「おっ、そうだねぇ。なに、飲む?」
「俺、ビール!」
「おい、お前、車だろうが。烏龍茶にしとけって。」
「俺、飲みたいときは飲まなきゃ死んじゃうの!」
「馬鹿か、お前。」
イケメンもノッてきた。
どっと笑いが起こる。
私はそれをうすら笑いを貼り付けたまま眺めていた。
…ふーん。話題転換したか。
とりあえずトークで女子特有のアピールをするつもりだろう。
男子を持ち上げて、調子にのらし、自分の良さを何気なく伝えるパターン。
「あははっシンジくんおもしろーい!」
―ほら、ね。
ちなみにおもしろいのはお前の顔だ、ギャル子。
さっき歌った曲がガン無視されて、結構堪えてるのが丸分かりだぞ。
「マジで?ミーコちゃんも可愛くておもしろいよ。俺、結構タイプかも。」
うん。これも、合コン常套句。
やはり、この男ども、慣れてるな。
「ええ~っそんなことないですよぉっ。もうっ!」
ハイ、ぶりっ子ウザーイ。
『もうっ』とか、いつの時代?
ウケるんですけど~?
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