合コンと言う名の戦場

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…しかし、少し面倒な展開だな。雰囲気が合コンに戻りかけだ。 他の2人も、そろそろ狙いをしぼっているのか、ガンガン攻めているみたいだし。 ……ふむ。どうするかな。 「那津は何飲む?」 ―と、そこに私に呼びかける男が1人。 は?いきなり呼び捨て?なに、誰。 そう思って見ると、例の3番目の男子だった。 …なんか何かと引っかかるなぁ、こいつ。 まあでも、聞かれたなら返しますよ。 今の私にベストな返答は…… 「あ、オレンジジュースで。」 …これだろ。 ――すると、 「は??」 男性陣は声を揃えて私に疑問符を投げかけた。 ナーイス、リアクション。 「え、何で?飲まないの? 酒、超強そうじゃん?」 彼らの一人が、私を覗きこんで聞いて来る。 …何の決めつけだ。 しかも結構気安く話しかけるようになってきたな。 そして、また別の人も、声をかけてくる。 「もしかして、車で来たとか?俺が送るから大丈夫ですよ?」 わー、紳士だこの人。 でもここは譲れないんですよね。 「…いや、だって未成年だし。」 …ねぇ? きょとん、とした表情をつくって言ってやる。 すると、 「ええ!??」 一瞬、空気が固まったかと思えば、 今度は疑問符をたくさん送られた。 しかし、それを聞いて、 女子たちが、これ見よがしと棘を刺してくる。 「えーナツ、ノリ悪ーい。こういうのは飲む所でしょぉ?」 …ニヤニヤ笑う彼女らは『ふっ、失敗したな!』と言外に語っている。 ―バカめ。 これも、作戦の内なのさ。 「ダメなの!」 タイミングを計り、 私は突発的に立ち上がる。 「お酒は、満ハタチになってから、というじいちゃんの教えなんだ!私が破るわけにいかない!!」 .
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