君の名は

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pipipi…pipipi… 無機質なアラーム音が、狭いワンルームに響く。 「……ん…。」 どうやら、 我が家の目覚まし時計は、 今日も正常に役割を果たしてくれているらしい。 私は、スヌーズ2回目でようやく布団をはねのけるのに成功した。 「……ふぁ……」 特大あくびをひとつかまして、寝ぼけ眼をこする。 ―私、本城 那津は、 超低血圧人間であり、 さらに二度寝の常習犯でもあるので、起きるのに毎回ひと苦労なのだ。 ―しかし、今日はいつもよりは気持ちよく目覚めた感じだ。 …いつもよりは、ね。 何故かというと、昨日の出来事だ。 全く不本意ながらもしぶしぶ参加し、かきまわすだけかきまわした合コン。 …あの人たちがあの後どうなったか、想像するだけで、笑えて来る。 見事にフラれて絶望したか? それとも、なんとか押し切ってテイクアウトに成功したかな? …クク、やっぱ性格悪いね、私も。自分で言うのもなんだが。 ―まぁ、どうだろうが、私には関係無い。 昨日の私はもういない。 あるのは今の『私』のみ。 今後はあのギャルたちに関わらないようにしよう。 そしたらあの人たちもだんだんと忘れるだろう。 怒りも、さっさと冷めてくれることを願おう。 あのイケメンたちにも、もう会うことは無いだろうから、気にしなくていい。 ―両者とも、また新しい出会いを勝手に求めちゃって下さい。 ただ、私にはもう関係無いから。 .
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