変な男たち

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…はーぁ、 なんでまたあんなヤツと会うハメになるかな。 ………正直会いたくねぇ。 あんな読めない男は初めてだ。 関わるとまた、なにか厄介なことになる気がする。 …いや、そもそも。 私をイジってそんなに楽しいか? 私は、ごらんの通りの本城那津よ? 可愛いわけでもなければ、スタイルがいいわけでもない。 地味で、暗いし、貧相だし…… …あぁ、自分で言っていて空しくなってきた…。 とにかく、外見にセールスポイントはゼロ。 かといって、中身に自信があるかって言われても微妙だけどさぁ。 …私って、男側からするとむしろ避けたいタイプじゃないか? 昨日だって、あのままサヨナラ。の方があっちにとっても都合が良かっただろうに。 ……ホント、あいつ謎。 私はがしがしと頭を掻き、寝ぼけている脳を目覚めさせる。 そして、ふらりと立ち上がり、そのまま洗面所に向かった。 そろそろ換え時な歯ブラシを口にくわえていると、 ぼんやりとしていた頭がだんだんはっきりしてくるのが分かった。 そして、思考を続ける。 ――いや実際、まったく謎、というわけではない。 一応、あいつが私なんぞにカラむ理由は分かっている。 …原因はあの例の、KYキャラだろう。 私の予想以上にアレが受け、後を引いた。それだけだ。 あんなんやったから、国崎なんぞに興味持たれたんだ。 あーあ、 変に意地はらずにひっそり息を殺して、地味で終わっときゃよかったよ、全く……。 『後悔先立たず』、だな。 まさに。 .
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