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英語教師の抑揚のない声が響いて、教室を満たす。
最初の10分くらいはマジメに聞いていたが……
いかんせん、ここは気温・日当たり・先生の死角という3条件をすべて満たした神席。
当然(?)のごとく、私はゆっくりと舟を漕ぎだした。
…学生の本分?そんなの知らない。だって眠いもんは眠いんだから。
―――
――
―チャイムが鳴る。
どうやら授業が終わったらしい。
私はムクッと起き上がって真っ白なノート等を片づける。
そういえば、もう昼だ…。今日は学食を食べようか。
思い立った私は食堂へ行った。
学食を販売する食堂は、私の学部棟からほど近いところにあって非常に便利だ。
着いてみると、まだ早い時間だからか、あまり人が見えない。
これまた、ラッキー、だ。
私はさっとメニューに目を通し、適当に手ごろなものを頼んで席についた。
…学食って何気に美味い、とかぼんやりと思いつつ、
のろのろと箸を進め、完食。
…ごちそうさまでした。日替わりランチAセット。
おばちゃんもいい腕してるな。
―ついでにコーヒーを頼み、ブラックのまま一口飲んだ。
そして、
持参してきた、本屋でもらったカバーつきの小説を取り出し、開いて読む。
さらに携帯音楽プレイヤーのイヤホンを耳につけ、再生。
ーあとは自分の世界に入るだけだ。
ゆっくりと耳に流れ出した音楽を聴きながらページを繰っていく。
1日のうち私が最も至福を感じる時間。
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