修学旅行

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私の名前は雨宮 千尋(アマミヤ チヒロ) 高校二年生。 今、高校の修学旅行の帰りのバスの中です。 全然楽しくなかった修学旅行。早く家に帰りたい。 まあ、家に帰ってもつまんないけど。 「千尋っ!早くトランプひいてよー」 「えっ」 ああ。そっか。忘れてた。今、ババヌキ中だったんだ。 私に今話しかけた子は、桜庭 由衣(サクラバ ユイ)ちゃん。 私の形だけの“親友”。私は学年トップの頭をもつ。だから、あっちはそれ目当てで私と仲良くしている。 「あ、上がりです」 「えっ!また千尋が一番?なんで!?」 「卑怯な手でも使ってんじゃないのー?」 そんなこと言われても。みんながすぐ顔にでるせいなんですが。 「卑怯じゃないよ。雨宮さんは正々堂々やってたよ。ねえ?」 「は、はいっ」 「き、木内君がいうなら」 「う、うん。千尋ぉ。疑ってごめんねぇ」 今、私をかばってくれた人は木内 零(キウチ レイ)君。 黒髪、長身、美形。まさに王子様のような男の子。 私が密かに憧れている人。
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