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「駄目とまではいかないが……。確かに可愛い、それは認める。だが、その恋愛感情とやらは芽生えない」
タッキーはあくまで平然とした表情で、
「お前それ病気だよ。可哀想に……。病院行ったほうが良いぞ?」
なんだよ、こっちは真剣に言ってんのによ。
何かその口調、表情からして冗談に捉えるには難しいのだが。
仮にオレが宮本を好きになったとしても、あっちはオレの事なんか見向きもしない。
何たって、宮本は学校のプリンセスなんだろ?
オレはよく解らんけど。
「びょ~き~♪ びょ~き~♪ 光太はびょ~き~♪」
ヒロが何か奇妙な歌を歌ってやがる。
突如、訳の解らん歌を歌い出す、お前が病気なんじゃないかと思うのは、決してオレだけではないはずだ。
もちろん聞き苦しいので、思いきり鼻フックをしてやった。
殊の外、結構なダメージを負ったみたいで鼻血を出しながら仰向けで倒れている。
数分後、誰かによって保健室に連れて行かれた。
こんな得体の知れない物を運んでいくなんて、余程のお人好しさんか何かであるに違いない。
逝ってらっしゃいませ。
今日は始業式だった故、早く帰ることが出来る。
ってな訳で、今現在帰りの支度をしている。
「タッキー、一緒に帰ろうぜ」
「おぅ!ちょっと用事があるから、校門の前で待っててくれ」
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