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タッキーの言う通り、校門付近で口笛でも吹きながら待っていると、
「や~まし~たく~ん!」
聞き覚えがなさそうで、生憎と聞き覚えがある声が耳に入ってきた。
なぜか、キラキラと輝く笑顔の持ち主――宮本がこちらに走ってくるではありませんか。
なんか、登場回数多いな。登場はオレだけで良いのに……。
いや、こっちの話だから気にしないでくれ。
「誰ですか、あなた? それに私は岸久破綻 十五之助ですよ」
何となく偽名を使ってみたけど、咄嗟に出るもんだな。
「がんきゅうはたん じゅうごのすけ? す、すみません、人違いでした! それにしても、素敵なお名前ですね!」
まさか、信じている?
疑うって事を知らないのか、こいつは?
それに、素敵なお名前って……ププっ、お前本気で思ってんのか?
十五って何人兄弟いるんだよ。
なんか楽しいから岸久破綻 十五之助として、会話してよ。
「でしょ? 私、この名前気に入ってるんです」
「はい! 私も気に入りました。なんか美味しそうなお名前です!!」
……はい?
この名前のどこが美味しそうなんだよ?
素敵な名前は、社交辞令かもしんないけど、美味しそうなは、全然社交辞令になってねぇし。
ここで、天然が出たか。
「おーい光太~! はぁ、待たせたな。……ん? この人は……」
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