突然ってのは、みんな驚くよな!

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ここで、タッキー登場か……。岸久破綻 十五之助はもう終わりだな。 でも宮本なら、また違う偽名でも使えば通じるんじゃないか? 何たって、アホそうだもんな。 「岸久破綻 十五之助君の友達ですか?」 今、オレの偽名をスラスラ言ったけど、もう覚えたのか? もしかして、本当に気に入ったとか? 確かに偽名は使ってるけど、顔はそのまんまオレだぜ? コイツすげぇ! ああ、色んな意味ですげぇよ! 「なに言ってんのさ、宮本さん。こいつはどう見ても、光太だろ?」 そうクールな面で言い、オレのことを指差す。 「え、山下君? え? え? どっちなの~?」 困惑な表情の宮本だが、普通に考えて欲しい。そうすれば真実は自ずと見えてくる。 なんか、かっけぇこと言ったな。 「オレは山下 光太だ」 「……はっ! 山下君だ! もう、騙さないでよ~」 普通の人間なら騙されねぇけどな。天然とやり取りするって案外、面白いもんだ。 「そうだよ、山下君! 今朝のお礼がしたいの私。だからね、私、必死に考えたんだけど……一緒に帰れないかな……?」 一緒に帰るだと? 一応、学校のアイドルと謳われるこいつと一緒に――ってのは、けっこう満更でもない感じなんだけど。 だけどその『学校のアイドル』ってのに問題があるんだよ。 一緒に帰って、もしそれが他人に知り渡りでもしたら――。 いやいや、待て。タッキーもいるんだ。何もオレと二人とは言ってない。 「タッキーどうする?」 オレは意を決した。タッキーが了承するなら、一緒に帰ってやろう。 タッキーはスマイル「いいよ」で返し、あっさり了承を得たのだった。 「って事で、喜」 「あ、いけない! 山下君の友達なのに私、自己紹介まだだった!」 オレの言葉をさ・え・ぎ・る・な!!
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