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「初めまして! えとっ……私、宮本 ひとみですっ。えぇ、山下君とはもう同棲までいってて、もう、それはそれは楽しいもので――」
こりゃ、ほっといたら永遠に話してそうだから、そろそろツッコミを入れるとするか。
「おい、長ぇよ! あと、誰が同せ」
「オレは、鈴本よろしくな! そうか同棲までいったか……」
なん、だ……と? オレの発言を遮るのが今の流行りなのか?
「いっとらん! こいつが勝手言ってるだけだ!」
宮本の狙いは、一体全体なんだってんだ? アイツの思考は全く解らん。
「宮本もなに言ってんだよ。でたらめなこと言うな! そうだ実はお前、幽霊なんだろう? ちゃんとタッキーにも教えろよ」
「……」
無言で睨まれた……。
「いや、タッキー今のは嘘だから」
「あはは、仲良くしようね~。ね、山下君?」
宮本は睨みから不敵な笑みへと表情を変えた。
「あ、ああ、そうだな……」
「うん!」
お次は、心からの笑顔だろう。
しかし、校門を通ろうする生徒たち(主に野蛮な男ども)が、決まってこっちを見てくる。
それも、目がハートになってたり、涎が出てたり、オレに対しての殺意が黒いオーラと化して、漂いだしている。
目がハートは、まぁ許す。だが、涎はどうにかしろ!!
「バカヤロー! 声がでけぇよ。お前の支持率は半端ねぇんだぞ」
「支持率? なに言ってんのかな~?」
まさかとは思うが、自分が学校のアイドルだという自覚がない?
何というか、さすがだ。
それとタッキー、にやけるな。だが、それでもイケメンというのが憎い。
あれ、言ってねぇか?
タッキーは、この学校ではトップ5に入る程のイケメン(噂では)なのだ。
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