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「……ん? ちょっ、タッキーがいねぇぞ!」
宮本との話に夢中になって、タッキーの事をつい忘れてしまった。
我、一生の不覚なり……。
《チャンチャカチャ~ン♪ チャンチャカチャ~ン♪》
お、メールか。悲しい事に非常に久し振りな気がする。
ディスプレイを見てみると『タッキー』と出ていた。
「なにこの着信音? なんか格好悪いね」
「うるせぇ。Simple the bestだ」
「どっちかと言うと、斬新じゃないかな~?」
華麗に無視をしてと、えっと……メールの内容は――。
【やっぱり、お前の邪魔だったな! わりーな。しかしながら良いね~、恋ってのは。あ、そうそう、宮本さんの家まで送っていけよ】
メール全文。改行なし!
あいつは気を遣ってくれたのかな? 明日ちゃんとお礼を言おう。
だけど、一つ言わなきゃいけいな、オレは恋なんてしてねぇぞ!!
宮本にも一応メールを見せてやった。
――――――
ええ――っ!!
という事は、二人で帰るってことだよね?
どうしよ、顔がにやけてるよ~。
「お前、顔がにやけてるぞ? いやらしい事考えてんじゃねぇよ」
にやけてるのばれちゃった~!!
うぅ、恥ずかしい……。
「山下君じゃないんだから、いやらしい事なんか考えてないよ~」
「んなッ!? なに言ってんだよ? オレはだな、世界を代表する紳士であってだな……」
ふふ、山下君って面白い。
やっぱり私……山下君の事が好きなんだ。もっと山下君の事を知りたい。
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