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私……決めた! 今日、山下君に告白する。
まだ行動に移るのは早い、そう思ってるけど、この感情抑えられないの!!
別に振られたって良い、山下君に私の気持ちを伝えたい!
―――――
「あのさぁ、ちょっと大事な……は、話が、あるんだけど……。ちょっといいかな?」
……大事な話?
なんだいきなり堅い表情になっちゃって。お前らしくないな。
「じゃあ、公園で話そうか?」
「うん。その方がいい、ありがとう」
いきなり、シリアスな感じになっちゃたな。話しかけにくいっての。
案の定、二人の間に沈黙。
オレこういう空気好きになれないんだよな……。だからと言って、この空気で出せる話題もないし。
まぁ、公園に着けば、自然とこの空気は破られるだろう。
「っで大事な話ってなんだ?」
思った通り、オレ達の間には一切会話がないまま、程なくして近くの公園にやって来た。
何となく、雰囲気で公園に設えてあるベンチに二人して腰を下ろす。
「う、うん。唐突でびっくりするかも知れないけど…………私、山下君のこと……好きなの!!」
「……」
まぁ、待て。ちょっと考える時間が欲しい。
まずは整理からだ。えー、誰がだって? 私=宮本だろ。んで何だって……好き。うん、誰の事が? 山下君=オレ。
整理中……………………………………《ピコーン》
整理完了!!
宮本がオレの事を好き?
あー、冗談だろ。
冷静だ、あくまで冷静に考えるが、宮本がオレのことを好きになる訳が解らない。
確認しておくが、オレとこいつは今朝会って、一緒に登校しただけの間柄である。
意味が解らん!
「すまん、もう一回言ってくれないか。聞き間違いだったかもしれん」
まさか、プリンセスが、その……オレに、こ、告るわけがない!!
フツーに考え、おかしい。
「だ、か、ら、山下君の事が好きなの! 付き合って下さい」
「……」
……はい? いや、驚きのあまりベンチから飛び上がっちまった。
聞き間違いじゃなかったのは確かなようだ。だが、まだこれが本心なのかは解らない。
考えたくないが、罰ゲームか何かで山下に告白しろっ! って感じになり嫌々した、というのも考えられなくもない。
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