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「確か……。あれは隣町に一人でショッピングをしにいってた時かな?」
仕方ない、話を聞いてやるか。
―――――
「はぁ~、いっぱい買いすぎちゃったよ~。荷物が重すぎて、帰りは多分疲れるなぁ」
あ、これ、独り言だよ?
一応、みんなに聞こえないくらいの声で口にしたからね。
時間が気になって、ポケットから携帯電話を取り出して時間を見てみる。
画面には19:05と出ていた。午後七時。電車の中で窓越しの外を見てみると、辺りはすっかり真っ暗だった。
昼でも充分に寒かった外は、きっと夜になって更に冷え込んでいるだろう。
ちょっと遅いかなぁ? と少し自分で自分の心配をしてみたりする。
今、私は電車の中でゆらゆら揺れている。
なんで電車の中ってこんなにも、眠くなるんだろう?
うとうと……。
どんどん気持ちがよくなっていくのが自分でも解る。私は睡魔に負け、席でまどろんでいると、
《次は~海城駅~。次は~海城駅~》
独特な声が聞こえてきた。
……ッ! 危ない危ない……。危うく寝過ごしてトコだった!
よだれとか垂らしてなかったよね?
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