山下 光太

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何故こんなに神と牛乳を恨めしく思っているかと言うと、時をいささか遡らなければならない。 どんくらい前だっけか? まぁ、今朝の事。 ジリリリ~ジリリリ~、と目覚め時計が自室に鳴り響く。 「ふぁ~ぁ」 目覚まし時計のお陰で脳が覚醒し、それと同時に時計を見る。 時刻は七時三十分。 普段より早く起床した。 目覚めが良い時ってのは格別気持ちが良いもんだ。 今日は始業式。 二年生になる訳だが、別に嬉しいという感情は沸き上がって来たりはしない。 自分で言うのもあれなんだが、友達の方は結構いる方だと……はぁ……いねぇよ。 とにかくオレは今日、二年生になる。正直、昨年の一年間オレはナンセンスに生きていた。 毎日する事もなく怠惰な生活を送っている。 同じ景色を繰り返す、メリーゴーランドのような生活に嫌気が差していた。 二年生になった今、この人生を180度回転……は大袈裟だが、何かを変えたいと思っている。 だが、面倒事は御免だ。 やはり人生、平穏、平凡ってのは大事だと思うのよ。 「おいっ童〇!飯だっ!」 少々、やるせない気分になっていた時、我が母親の声が聞こえてきた。 確認しておくが、本当にオレの母親である。 「お、おう。ちっと待っとれ」 とこんなやり取りを朝からするオレ達は珍親子なのかもしれない。 ちなみに母の言う通り、オレは童て……ってどうでもいいな。
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