14272人が本棚に入れています
本棚に追加
「とにかく、無理なもんは無理だ!」
オレだって、まだ15だぞ?
あれ……いや、16だ。危うく自分の歳を間違えるトコだった。
早死にしたくねぇよ。やりたい事いっぱいある……よ?
待て、ワカラナイ。
やりたい事が、ワカラナイ。
「やだもんねぇ~だ。一緒に行こっ?」
舌をぺろっと出した仕草にキュンときたが、そんなことより、宮本はオレの腕にしがみついてきやがったのだ。
宮本の髪の良い香りに酔いしれてる……。ああ、これ、精神安定剤にしたい。
やべぇ……。今のオレ、マジで気持ち悪いわ。自重自重。
オレがそんなものに負けるわけ――。
「しょうがない、今日だけだぞ」
あるだろっ!
「やったー」
「マン」
マン?
いや、深くは追求しない。
そして、ついに校門前まで着いてしまった。
「おい、あれ宮本さんじゃないか?」
「可愛いなぁ~」
「ホントだ。ってかあれ誰だよ?」
「おい! 離れろよ!!」
「糞死ねぇ」
「僕の宮本さんから、離れろ~」
みんなからの罵声が……ってかこれだけ言われて、耐えられるオレって実は凄い奴なんじゃないか?
違いますね。
ただ言い返すのが恐いだけで勇気のない情けない男ですよ。
そりゃ、好きでくっついている訳じゃねぇよ?
離れたいけど、男の本能には勝てないんだよ。
死亡フラグ確立決定。オレの人生終わったよ。みんな、ありがとう。
最初のコメントを投稿しよう!