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「タッキーは恋愛しないのかよ?」
恋愛話は好きではないと言ったが、オレが聞くのは別の話だ。
「ちょっとオレ、トイレに行ってくるわ」
「おい、タッキー……!」
質問を避けて逃げていくかの如く、タッキーは去って行った。
仕方ない、今度の機会にゆっくりと尋問させてもらおうか。
「おい光太!! 昨日、宮本さんと一緒に帰ったって本当かよ?」
タッキーと入れ代わるように、次はヒロが話しかけてきた。
もうヒロの耳にまで噂が入ってきてんのかよ? ってか、お前いたんだな。
「いやいや、見間違いだ。うん、きっとそうだ。世の中には容貌が同じ人が三人ほどいるって言うじゃないか。多分それだよ。ハッハッハ……」
何つーか、オレ、嘘吐くの下手だな。
「そうだよな。光太だもんな。宮本さんと一緒にいる訳ないもんな」
それはそれでなんかな……。何せ告白までされたからな!
そりゃ、自慢の一つや二つしたくなるさ。だが、それを漏らした暁には……駄目だ、その先は考えちゃ駄目だ。
「一応オレは、宮本さんファンクラブの副会長ですからな。そういう情報は知っておかないと行けないし」
知らなかった。
まさかヒロが副会長だなんて、道理で宮本の情報を無駄にたくさん知ってる訳だ。
だが、一体会長って誰なんだ?
「気を付けろよ光太。多分、一緒に帰った事が広まってるから、光太のことを恨んで襲い掛かるかも知れないからな?」
はい来ました、死亡フラグ。
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