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「足、怪我したのか?」
倒れるくらいだから、結構な怪我なんじゃないか?
なかなか倒れるまでは、いかないからな。
「ん、足? ……えへへ、心配してくれるの? どうぞ、食べちゃって下さい」
……理解不能。
ああ、もう悟りきってるZE!!
こいつといると、
馬鹿になる。
「あー、大丈夫そうだな。じゃあ一人で歩けるな」
「ちょっと! あんたなんかに、肩貸して貰おうなんて思ってないんだからね!?」
今度は突如、ツンデレ。
こいつよく解らんが、切実に思うよ。お前……相当可哀想な子だな。
「ふにゅ~」
なぜかはエターナルの謎となるが、オレは勝手に女の子の頭を撫でていた。
その蕩けたような、うっとりとした顔が何とも可愛らしかった。
「歩くことくらい出来るだろ? この優しき光太様が学校まで一緒に行ってやるよ」
ハハッ、遅刻確定だな。
「ホントッ!? ホントにホントに本当?」
「あ、ああ……。ホントにホントに本当だ。言っただろ、オレは優しいんだって」
喜怒哀楽でいう『喜』を表情に浮かべる女の子は、本当に嬉しそうだった。
そんな顔するなよ。不覚にもドキッとしてしまう。
「うん! ありがと~。今度なんかお礼させてね、山下君!」
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