way of life―first―

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「じゃあ、なんで変わらないの?」 「難しいから」 無名が、今まで見せた中で一番優しい笑顔を見せる。 「難しいんだ。その考えは。言うのは簡単だけど」 「どうして?」 「例えばさ。 猫が成長して犬になったり、人が将来、鳥かライオンになりたいって思うことはどう思う?」 「へん」 「うん。変なんだよ。おかしなことなんだよ。 つまり、そういうわけさ」 「……わからない」 「今の話、猫を魔術師に、犬を……そうだな……神様に直すと、猫が犬になることは、魔術師が神様になることと同じことなんだ。 魔術師が超能力者や異世界人になることは、人が鳥かライオンになるかを決めているようなものなんだ。 わかるかい?」 「…………うん」 分かりたくなかったが、分かってしまった。 頷きたくなかったが、頷くしかなかった。 泣きたくなった。泣けなかった。 「でも、その考えは捨てないほうがいいよ。 きっと将来役に立つ」 「…………」 「子どものころに感じたことは、成長していくとどんどん無くなっていく。 でも、大事なことは大抵子どものころに経験するんだ。 だから、今感じたことは、きちんと覚えておくんだよ。 ……口には出さないほうがいいけど」 無名がなにを言いたいのか、ダイスケはちゃんと理解出来なかった。 でも、首を縦に振った。 耳鳴りは、少しだけ大きくなったような気がする。  
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