序章 陽気な先輩

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 青海祭から約二ヶ月、学園内は二週間後に控えたクリスマスパーティーの準備で賑わっている。  そして、それは俺、新山亮介(にいやまりょうすけ)も例外ではない。  俺が所属する写真部の部長であり、今期の生徒会長でもある水無月望(みなづきのぞむ)さんの推薦により、俺は来期の生徒会長を勤めることが決まってしまったわけなのだが…… 「まさか、生徒会長って職がここまで大変だなんて」  新生徒会役員にとっては初めてのイベントであり、旧生徒会役員との唯一の共同作業となるクリスマスパーティーの運営。  単純に考えれば、本来一人でやらなくてはならない仕事を二人でこなすことになるのだから、仕事は比較的楽になるはずなのだが、俺と一緒に仕事をすることになっているはずの旧生徒会長様がバックレやがったおかげで、俺は右も左もわからない状態で膨大な量の仕事に挑むこととなってしまったわけだ。 「ほんと、ついてないな……」
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