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「紗弥加ぁ~~王子が登校してくる時間だよ~!」
「チッ…うーん!今行くぅー!!」
何も無かったかのように友達の元へ駆け出していく女
「………。」
女の背中を見つめていると、女の友達であろう人と目があった
「たっ…たすけ…」
「助けて!!」そう言いたかったけど、フイッと視線を反らしてその人は行ってしまった…
「………。」
涙は出て来なかった…こんなの初めての事じゃない…
辛いけど逃げたら負けだ
「よしっ…」
痛む体に鞭打って立ち上がった少女はグチャグチャになった黒髪をキチンとお下げに結び直し、割れた眼鏡の変わりに新しい眼鏡を装着して歩きだした
彼女の名前は、合河百合。この物語の主人公であり、生粋のダサ子である
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