序章

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町の路地裏.繁華街のにぎあかさはそこには無く.殴られてもがき苦しむような声… そうそこには殴られた人がいたのだ。 すでに大量のゲロをぶちまけ咳込んでいた。全体的に白っぽく小さな粒が…先程食べたばかりの白ご飯.鍋の〆に入れられたのだ。 しかも米粒が消化しきれず嘔吐の際気管に入り咳込んでしまった。 しかし殴られし者は内心悔しさはなかった。 鍋も終盤腹イッパイになり.ほしくもしないのに何となく食ってしまった〆のご飯だからだ。 そしてなにより自分の嘔吐物を見てもらいゲロをした殴りし者が.同じく咳込み自分以上にのたうちまわりゲロまみれになっているのだ。 食され栄養分となってこそ本来の役割を果たすはずの米粒… しかし今回.吐き出され廃棄されて人の怨念をはらすのに一役買った。 またこれもある意味役割を果たしたといえるのではないか。 ニヤつきながら苦しむ者と殴りはしたが負けたようなもがく者…… 二人を置いて夜はふけてゆく。
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