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そして2年弱たっくんと連んできて、私の名前が“梓”だと気づいたのが2ヶ月前。
12月の終わりだった。
『あずきちゃんってどんな字?
俺、年賀状書く派なんだけど…♪
えっと…ひらがな?』
高校2年生の男の子が年賀状とかかわいすぎる。
しかも、この季節までまだ“あずき”と思ってたなんて…
私が言ってないのも悪いけど。
私は“神崎 梓”とケータイで打って見せた。
『へ~♪あずさって書いて“あずき”って読むんだねっ☆
…ん?!…あずさ?
あずきちゃん…梓っ?!?』
ここまで天然というかばかというか…
抜けてるとは思わなかった……。
『梓…です』
『え…あっ…え?
あずきちゃんが梓ちゃん?!』
パニクるたっくんに私は
『今まで黙っててごめんね?』
と謝ると
『いや..今まであずきちゃんって呼んでごめんなさい…あずきちゃ…っ∑
梓ちゃん…。』
としょげる。
もうこの人に“梓ちゃん”なんて呼ばせるのは不可能だと感じた私は
『今まで通り“あずきちゃん”ってよんで?』
と微笑んだ。
そしたら倍の笑顔でたっくんは頷いた。
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