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ドキドキと速く動く心臓と同じように、体育館に運ぶ足もだんだん速くなる。
渡り廊下を渡って体育館に行く。
雨がしとしと降っていた。
ちょっと空を見上げながら「雨か…」なんて呟きながら歩いていたら、決戦の場所にたどり着いた。
体育館入り口近くの壁に寄りかかり大和を待っていた。
いつもならケータイをいじって待ってるとこだけど…そんな余裕なんてなかった。
足音が聞こえた。
入り口を見ると大和が出てきていた。
呼ばなきゃ…っ。
「やま…─っ」
大和は笑顔で女の子と2人で出てきた。
私はそれを見て“今日は無理”と感じて、Uターンをして静かにヤヨとたっくんがいる教室へ向かった。
でも…
「…梓っ?」
「……!!!」
大和は私に気づいてしまったのだ。
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