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「行ってきまーす!!」
外はまだ寒い。
まだ2月の始めだからかな。
白い息を1回はき、マフラーに顔を埋めた。
ドアの前で自転車にまたがる大和。
「乗れよ。」
ボソッと呟き、かっこつけ後ろを親指でさす。
「かっこつけてもかっこよくないからねっ!!!」
なんてふざけて大和の頭を一発叩き、私も自転車にまたがった。
「うっせーっ!!!!!」
と叫びながら漕ぎ出した大和。
そんな大和の肩にきゅっと捕まる。
毎朝この時間はドキドキタイムだ。
大和がペダルを漕ぐたび、私の心臓は高鳴る。
今はこれで充分だった……─
“今は”。
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