僕とフラッグと父

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僕は何度も何度も茶色の建物に連れられた後、また白い建物に連れられた。 どうやら僕はフラッグの仲間じゃないらしい。 当たり前のこと、何を今更。 僕は青いフラッグが沢山いるところから、また移動しなくちゃいけないらしい。 今度は白いフラッグが僕を管理するらしい。 何を偉そうに。僕はちょっとご立腹。 青いフラッグがいうには、僕の仲間がいるところらしい。 ようやく人間に会えるのか。 少し嬉しいけれど、そんなことより僕はお父さんに会いたいな。 今何してるんだろう。 会いたい、会ってキャッチボールがしたい。 外に出ると、強い太陽の光が眩しかった。 気が付いたら冬を越していた。 鮮やかな緑が瞳を彩る。 あ。 フラッシュバック、去年の夏。 蒸し暑い夜、小さな花火セットを買って遊んだな。 あれが最後だった気がする。
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