理解者とフラッグ

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私は一人になった。 理解者以外の理解者がいなかった私には、困った時に頼れる人も場所もなかった。 授業は勿論、登下校も一人だった。寂しいけれど誰にも頼れなかった。私の周りにはフラッグしかいなかった。     私が一人でいる間、理解者はフラッグ達と一緒にいた。 何人ものフラッグと楽しそうにする姿は、寂しさと嫌悪感で表現しようもない感情を生んだ。 理解者は何故フラッグだと分からないのだろうか。 フラッグだと分かったら、今こうして話すことなんてありえないことなのに。     私は見る度にそう思い、しかし我慢しなければいけない自分の立場にとてもイライラした。 ぎゅっと握った拳は、長く伸びた爪の所為で鈍い痛みを残した。
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