理解者とフラッグ

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学校での理解者はいつもと変わらなかった。どこかのフラッグに挨拶をし、どこかのフラッグとともに教室に向かっていた。いつもは苛立つ風景だが、その日の私は全て愛しいものに感じた。フラッグがいなければ、私は理解者の声も聞けず、笑顔を見ることも出来なかった。     しかし、姿が見れたらいいという訳でもなかった。 私は決意していた。 理解者と再び話し、また元のような関係になれることを望んでいると、はっきり理解者に伝えることを。     隙あらば理解者に近付こうと、私は片時も目を離さなかった。しかし理解者の周りには常に多数のフラッグがいて、理解者が一人になることは全くなかった。 私はとても焦ったが、じっくりとチャンスが来るのを待っていた。
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