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僕にはお父さんが一人。
それ以外身内はいなかった。
お母さんは僕が小さい頃出て行った。
恋人と呼ばれる不潔なやつに、お母さんはついて行った。
お父さんは僕に優しくしてくれた。
僕が遊ぼうというと一緒に遊んでくれるし、美味しい料理も作ってくれる。
掃除も洗濯もしていた。
可愛いエプロンを恥ずかしそうにしていたのをよく覚えている。
そして時折聞こえる溜息が印象的だった。
お父さんは僕が大きくなるごとに冷たくなった。
お父さんは僕が嫌いになったの?
考え始めたら止まらなくなった。
僕はいい子でいるから。
いい成績だってとるから。
運動だって頑張るから。
お父さん、僕を嫌いにならないで。
最後に一緒に遊んだのはいつだろう?
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