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ゆっくりと顔を上げるとそこに居たのはVサインしながら笑う、溶けたはずの。
「ユキ……ネ?」
「ふっかーつ!」
さっきまで溶けてたとは思えないほどの元気振りに固まる。
「このポーズで三十分待っちゃった」
何言ってんだ? こいつ……。さっきのはなんだったんだ?
「まさか、私の為にあんなに泣いてくれるなんて」
ぷつん――――!
俺の中で何かが切れた。
「ふざけんなー! どんだけ心配したと思ってんだ! ドッキリかなんかか馬鹿野ろ――」
ユキネの両肩を掴み前後にその体を振りながら文句を言っていると、俺はある異変に気付いた。
「冷たく、ない。てか、温かい?」
ユキネはその言葉を聞いて俺に飛び掛かるように抱き着いた。
「ドッキリじゃなくて、大成功なのだ!」
「えっ? なんで? 成功って、何が条件だったんだよ?」
俺の言葉に照れながらこたえた。
「愛するものに溶かされ、愛するものの涙を受ける」
「なっ!」
「ふふふ、身体をはった、相思相愛確認さね」
ああ、もう、なんだか、頭がまわらん。なにがなにやら。頭熱い……。
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