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それは気温十度以上の地域に居続けられる様になること。
雪女は雪を降らす能力のおかげで、ある程度の温度には耐えられるが、それを越えると水になってしまい、二度と戻れなくなると言う。
方法は知っている様で、俺に手伝わせたいらしいのだが、その条件を教えると叶わなくなるらしい。つまり無意識にそれを手伝わなければならないのだ。勿論ノーヒント。
実に難儀な話だ。
さて、そんな面倒事を押し付けている当の本人と言えば、クーラーも入りテーブルに置かれた冷やし中華を目の前に号令を待っている。
「……いただきます」
「いっただっきまーす!」
ずるずると、麺料理ならではの音をたてながら啜るユキネ。一頻り腹に積めて問う。
「うちのクーラーボロいからガンガン室温下げてくれるけど、大丈夫か?」
「ほえ?」
相変わらず音をたてて啜るユキネが可笑しな聞き返しをするので更に問う。
「最近は夏バリに気温が上がる日もあるけど大丈夫か、って聞いたんだよ」
ユキネからすれば死活問題だ。事実、最近はヤバい位温度が上がる日もあり、クーラーや瞬間冷却剤でなんとかのりきってきた。
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