3人が本棚に入れています
本棚に追加
うーん、とー唸りした後箸を止め、俺の質問にこたえることなく問い返してきた。
「シュンちゃんは来年帰るの?」
最近は実家に帰ろうか、とぼやく俺を知るからこその言葉。
「わかんね。お前はどうするんだ? 今年も難しそうだろ?」
「……シュンちゃん次第だよ」
テンション下がり気味でこたえるユキネ。オレとしても数少ない幼馴染み、手伝ってやりたいのは山々だが、条件がわからなければ動きようがない。
室温に比例して下がる空気。俺は耐えられなくなりテレビをつけた。中途半端な夕方の時間にやっていたのはニュース番組の天気予報だった。
『明日は全国的に久々の晴天です。特に関東地方は気温も初夏並の暑い日となりまして――』
「なあ、明日暑いってさ。大丈夫か?」
「雪降ってるうちは大丈夫」
その言葉に窓を見るとちらつく雪。それに反射して見えたのはいつの間にやら台所で食器を洗っているユキネの後ろ姿。どうやら、あちらも空気に堪えられず移動していたようだ。
まあ、本人が大丈夫と言うならー―。俺は軽く考えていた。
最初のコメントを投稿しよう!